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   慢性活動性EBウイルス感染症
  肝脾腫、リンパ節腫大、高γグロブリン血症、肝炎、持続する発熱などが主な症状で、致命率が高い。



   慢性活動性EBウイルス感染症

  概念
  EBウイルス感染の活動性が数ヶ月以上わたって持続し、EBウイルス感染細胞あるいは、EBウイルスゲノム量
  が増加している状態である。そのために、発熱、種々の臓器障害、リンパ増殖症が出現する。基本的には細胞
  性免疫不全状態があり、EBウイルスの感染形式は基本的には潜伏感染であるが、伝染性単核症と同様にウイ
  ルス産生のlytic infectionが混在している。さらに、一部の症例ではEBウイルスが単クローン性であることも明ら
  かにされつつあり、腫瘍と反応性疾患の狭間にある疾患である。

  症状

  発症年齢は幅広く分布し、乳児期から成人まで報告されているが、これまでの報告では12歳以下の小児、幼時
  期の発病例が多い。
  発熱、頸部リンパ節腫脹、肝脾腫、発疹などの伝染性単核症様症状が数ヶ月以上にわたって持続、あるいは
  反復する。慢性活動性肝炎は肝硬変、肝不全に進行し、死因となることが多い。蚊アレルギーは1/4〜1/3の
  例に観察され、重症で発熱を伴い、蚊刺部の発赤、腫張は10数cm〜20cm以上に拡大し、水胞形成に引き
  続き1〜2cmの潰瘍を形成する。吸収不全を伴う慢性下痢、間質性肺炎、心筋炎、冠動脈瘤などの心血管障害
  葡萄膜炎、脳炎、脊髄炎、末梢神経炎などの神経症状などが比較的高頻度に観察される。

  検査

  汎血球減少を伴うことが多く、中でも白血球減少、血小板減少が多い。血球減少の機序は脾機能亢進症、
  VAHS(ウイルス関連血球貪食症候群)、特発性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血などによる。
  ALT、ASTの上昇は症例によってその程度は様々である。ALT500IU/L以下の例が多いが、数年内
  の経過で肝不全に進行することが多い。

  診断基準

  1.EBウイルス初感染の時期が不明の場合
  1)持続性、あるいは反復性の発熱、発疹
  2)リンパ節腫脹、あるいは肝脾腫
  3)慢性肝炎、あるいは間質性肺炎
  4)汎血球減少症、あるいはVAHS
  5)蚊アレルギーあるいは顆粒リンパ球(CD16,56,57)増加、HLA-DR+T細胞増加
  A)EBウイルス抗体の異常
   (VCA-IgG≧640に加え、EA-IgG≧160、あるいはVCA-IgA≧20)
  B)病理組織あるいは末梢リンパ球にEBVゲノム増殖の証明

  1)〜5)のうち2項目以上の症状が3ヶ月以上にわたって持続、あるいは複数回反復することに加えて
  A)、B)を満たせば診断可能

   予後
   不良。死因は臓器不全が多く約半数を占め、残りはリンパ腫、VAHS、感染症など    

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