セルフビルドの設計

目次

1.はじめに  2.住宅構造  3.各種図面  4.関連法規

5.設備 6.基礎 7.土台 8.軸組 9.屋根 10.金具

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1.はじめに

先ずは、最も大切な事ですが…、

次に、我が家の設計手順を詳しく書いて行きたいと思います。

我が家のコンセプトは次の様なものでした。

  1. 全て、自分で修理可能なこと(誰の手も借りず一人で建てること)
  2. デザインより機能優先。
  3. 省エネ・低価格。
  4. 4人家族が、二世代に渡って生活を営める、頑丈な家。

この様に考えた理由は、「人に任せたり頼ったりすると自分の思うようにならない」という単純な理由と、「自給自足」という本来の目的からです。厳密に言えば達成出来なかった事が多々有りますが、とりあえず、終の棲家は出来上がりました\(^o^)/

次に…
「一般人が本格的な家を合法的に建てられるのだろうか?」という疑問があると思います。内緒で建てて、法律的に何の制限も受けていないのも現実です。しかし、我が家は登記もしていますし、火災保険にも入っています。すなわち全く合法的に建てたということです。

それには、次の様な事をクリアしないといけません。

  1. 図面を自分で描けるようにする。
    各種申請をするのに図面は必ず必要になりますので、自分で描けるようにします。私はJwcadというCADソフトを練習しました。ずいぶんと高度な知識が必要な気がしますが、手に入る実際の図面を真似て作れば、何とかなるものです。
  2. 設備関係を解決する。
    土地購入前から検討しなければならないことですが、設備(水道・電気・調理・暖房)をどうするか決めることが大切です。これをいい加減にしていると、住む事自体不可能になるかもしれません。業者に頼むと、各種法規の規制を受け費用もかさみます。自分でやると、数100万円の費用が浮き、自ら直すことも出来ます。私の場合、殆どの部分を自分で作りました。
  3. 出来れば第二種電気工事士の免許を取る。
    自宅の配線をする時に、持っていると有利なので、取る事をお勧めします。セルフビルドの家では、電気屋さんとコンビネーションを取るのは難しいものです。

苦言を呈するようですが…
上の事を面倒だと思う方は、全て業者に任せるほうが良いでしょう。家を建てること自体、想像以上に面倒なことなのです。私の場合正直言って、「途中で辞める訳にいかないから建ててしまった。」というのが本音です。(^ω^)

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2.住宅構造

住宅構造には、様々な種類がありますが、初心者が一人で建設するには、図の様に簡単なものがよいでしょう。一般の家のように複雑な構造にすると、手伝いが必要になったり、重機を使わないといけなくなったり、色々と出費が掛かるものです。

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3.各種図面

各種申請に使う図面には、次の様なものがあります。

配置図立面図1F平面図2F平面図取付道路図登記申請図

実際の建築に使う図面には次の様なものがあります。

基礎図1F床伏図2F床伏図矩計図立面図骨組

他に、様々な図面がありますが、自分が納得するまで描いてみると良いでしょう。全て把握するまで描かないと、高さの部分で勘違いすることがよくあり、建前時に泣くことになります(@_@;)

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4.関連法規

ここで解説する法規は、あくまでも、手続きから建設まで自分自身で行った場合の内容です。間に業者さんが入った場合、営業上の様々な法規に制約されたり、トラブルに巻き込まれたり、自分の思う通りにならないことが多々あります。それによる損害に対しては一切責任を負いかねますので、ご了承ください!

@土地に関する法規

最低限、上記の様な事を調べておいた方が、交渉を有利に進められます。売る相手より、知識を豊富にしておいた方がよいでしょう。実際、土地の所有者と不動産屋さんは、少しでも高く売ろうとするのが人情と言うものです。だからといって、何も知らずに言い値で買ってしまっては、ずっと後を引くことになります。私の場合、言い値の60%まで値切ったのですが、それでも相場の3倍位の値段でした。

A建築基準法

建築基準法関連の主なものには下記の様なものがありますが、原野・山林に家を建てる時には建築確認申請が必要ないので、違反していても見つからないのが現実です。実際、郊外の家庭菜園などにある小屋は、基準法を全く無視して建てられている物が多く見られます。(我家は安全と安心の為、基準法に沿って建てました(^0_0^))

※建築基準法は非常にボリュームがあって複雑な法令ですが、原野・山林等に、2階以下で延べ面積が100平米以下の普通の家を建てる場合には、工事申請が通ってしまえば無視しても良いのが現実です。
もちろん、宿泊などの営業等に使用する場合には、様々な制限が課せられるので注意が必要ですが、詳しくお知りになりたい方は、【建築基準法の詳細】をご覧ください!

 

B道路工事申請取付道路図を添付)

公道の形状を変える時は、土木現業所又は建設事務所に工事申請する必要があります。

※詳しくは【個人による道路工事の手続き】をご覧ください!

C建設工事届配置図立面図平面図を添付)

原野・山林に家を建てる前に、市町村に建設工事届を提出しなければなりませんが、上記の図面を描くことが出来れば、問題はないでしょう。

住宅地・商業地などの都市計画区域内に家を建てるには、建築確認申請も必要になり、複雑な手続きが必要となり、一般人にはハードルが高すぎます。(防火・準防火地域外における10u以内の増築、改築または移転は申請不要)

※建築基準法施行規則 第八条(建築工事届及び建築物除却届)建設工事届の例はこちら→【高松市建設工事届
※建築基準法施行規則 第一条の三(確認申請書の様式、)

D家の登記(表題登記と保存登記があります)

するしないは自由ですが、図面を自分で描ければ意外と簡単に済みます。表題登記をすると、固定資産税の税額を決める為、家の構造等を調べに来ます。我が家の場合、みすぼらしい家なので、税金は一般家庭の1/3で済みました(^_^;)

※詳しくは【田舎暮らしの不動産登記知識】をご覧ください!

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5.設備

設計の前に、設備をどうするか決めておく必要があります。
設備のことを考えないで家を建てると、どうしようもなくなることがあるからです。
また、
関係する法規をクリアーしていないと、後で問題が起きる事がありますので、詳細に調べておく必要があります

※詳しくは【上下水道の法律】をご覧ください!

下記では、私の家を例に説明していきます。

@上水

水の問題はごまかしが利かず、完璧に施工しなければいけません!
我家の水関係は非常に複雑なもので、染み水・雨水・井戸水の三本立てで賄っています。井戸は十数回掘ってやっと満足ゆく物が掘れました。染み水というのは、木の根元から染み出す水を深さ1.5mの穴に溜め、うわ水を自然流下させ、家の屋根裏のタンクに導くものです。しかし、夏の間は枯れます。雨水は屋根の片側に樋を付け、200Lのポリタンクに溜めて使っています。

設計で大切な事は…、
漏水しない様に完璧に施工することです。
それと…、タンクの高さと支える強度などです。
屋根裏のタンクは水源より低く、雨水を貯めるタンクは樋より低くないといけません。タンクの支えは、太い梁と柱でしっかりとしなければいけません。当たり前の事のようですが、管をどこから入れてタンクを何処に置くかは、設計が絡んでくるとなかなか難しいものです。

次に水圧の問題ですが…、
私の場合井戸から家まで70m位なのでそれ程高圧にはなりませんでした。田舎では、水源から何百mもの距離を引いているのをよく見かけますが、水圧が高くなり、ちょっと漏れただけで数十mも噴出すものです。その場合は百mごとに枡を設けて水圧を下げます。

次に凍結の問題ですが…、
管を埋める深さは、直す時のことを考えて、25cm位でかまわないでしょう。ただし、強風が吹いて雪が飛んでしまうような場所では、1m位掘ったほうが安心です。地上に露出している部分は、断熱材と凍結防止熱線を巻きます。凍結した場合を想定して、全管から水抜き出来る様に栓等を付けます。その他色々ありますが、素人でも想像力を働かせば何とかなるものです(^^)v

※詳しくは【上下水道オタク】をご覧ください!

A下水

下水の完備されていない田舎では土壌浸透式(たれ流し)となりますが、土地を汚染しない様に何らかの浄化槽を設けたほうが良いと思います。私の場合、合成洗剤を一切使わないのを条件に自作の池に流していますが、池には、カエル・サンショウウオなど、様々な生き物が生活出来る程きれいです(^ω^)

管を通すところですが…、
布基礎の場合コン打ち前に管を通すのが普通ですが、私は、変更のし易さから後付けで換気口に通しました。露出部分には断熱材を巻きます。(凍結防止熱線までは必要ありません)

※詳しくは【上下水道オタク】をご覧ください!

B電気

最初は自家発電も考えましたが、ガソリン代が月1万円程掛かってしまいます。我家の場合、幹線まで約60m、途中に電信柱一本建てて無料で工事して貰いました。メーターからブレーカーまでは、業者に頼まなければならず、4万円程掛かりました。室内配線は、第二種電気工事士の免許があるので、全部自分でやりました。電気代は、月1700円程しか掛かりません(^ω^)

ここで大切なことは…、
ショートによる火災は絶対避けなければいけないと言うことです(*_*)

絶縁テープが剥がれてもショートしないよう配線する慎重さが必要です!絶縁テープは熱で取れてしまうことが多々有ります。

※詳しくは【電気と配線】をご覧ください!

Cガス

8kgのLPガスボンベを買い(一本1万円)、詰め替えて使っています(一回3000円)。
8kgのボンベは、実質的に法的規制は無く、台所の下に置いています。
冬期は薪ストーブで煮炊きしているので、年間のガス代は何と6000円です(^ω^)
念のためガス感知器を付けた方が良いでしょう!

D暖房

私の場合暖房の殆どが薪です。風呂も薪ですが、一年分の薪を作る手間は大変なものです。

設計上大切なことは…、
部屋の温度がどの位であれば満足出来るかという事です。私の家の壁には断熱材が入っていませんが、薪ストーブと言うことで、換気口などにある程度隙間を開けています。冬の朝方、部屋の温度は0度近くなり、16度に暖まるまで2時間は掛かります。これが耐え切れない方は、完全密閉にして、便利な石油ストーブにするべきでしょう。昔の生活に戻るには、ある程度気合が必要なものです(^。^)
エントツの配置はスムーズに煙が出るように考えます(煙は上にしか行きません)エントツからの延焼はそれ程神経質になることはありません。掃除の為取り外し易いようにしておきます。

※詳しくは【薪ストーブ】【家の断熱について】をご覧ください!

E冷房

北海道の場合殆ど必要が無いのですが、風通しだけは考えておきます。この場合、天気によってどちらから風が吹くかが大切です。

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6.基礎

設計で大切なことは、基礎深さと、布基礎強度のバランスです。我家の例で言うと…、布基礎厚は150mm、高さは850mm、フーチング厚は100mm、幅は400mm、玉砂利深さ(地面からの基礎深さ)は500mmです。

布基礎高は、施工のし易さから、コンパネ一枚分900mm位が妥当だと思います。地中が凍結しない暖地では、半分でもかまいません。

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7.土台

図は、2間×4間の基本的な構造です。
柱は原則910mm(半間)ごとに立てますが、開口部によって変更します。

角は襟輪小根ほぞ、継ぎ手は鎌継ぎで、大引きは蟻落しで組みます。

※詳しくは【材の組み方】をご覧ください!

図の赤丸は、基礎に埋め込んだボルトで、土台を固定します。(間隔は910~1820)

土台を水平にする為、柱の下に厚さの違うスペーサを入れます。(基礎の水平が出ていても、湿気予防のため入れた方が良いです。)

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8.軸組

軸組(家の骨組)には標準規格があります。屋根やサッシはその規格によって作られていますので、合わせないといけません。その規格とは下記の様になります。

柱の間隔=910mmの倍数、垂木の間隔=455mm、根太の間隔=455mm、(全て芯から芯の距離)
柱の太さ=105×105、梁・桁・母屋・棟木の太さ=105×105、150、210、240 など。

軸組の設計で大切なのは、材の太さをどう決めるかです。

柱は105mm角が標準です。

梁は、図のA(柱間)によって決まります。

A=1820mmの場合、B=150mm
A=2730mmの場合、B=210mm
A=3640mmの場合、B=240mmとなります。

上に柱が立つ場合も同じになります。
桁も同じ考え方で良いです。

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9.屋根

屋根の設計で問題になるのはその勾配です。南国でしたらゆるやかな屋根で構いませんが、 雪が自然と落ちる様にするには、最低7寸勾配(約35度)は必要です。
ところが…、ずり落ちないで登れる角度はせいぜい6寸勾配までです。
雪降しと施工のし易さを考えると頭が痛いところですが、私は8寸勾配としました。
その理由は、屋根に登って雪降しをする事は結構危険な事で、雪をそのままにしておくと氷状になり、その重さで基礎がゆがんでくるからです。

一般的な屋根の構造には、図の様な二種類があります。

Aは、南国向きの屋根で、梁の上に小屋づかを立て筋交いで固定するものです。

Bは、積雪地方の屋根で、梁の上に小梁を立て、母屋でつなぐ構造です。

梁の間隔は、Aで1820mm以下、Bで1360mm以下とします。

垂木の間隔は、455mmです。

職人並みの屋根を張るのはかなり難しいので、私の場合、屋根板にはカルバニウム鋼板波板、役物には図の4種類を使いました。

図の青色が役物と波板、赤色が傘釘になります。

大切な事は、下地に雨が浸みない様に施工することです。台風や大雨の時の、横からの吹込みにも注意します。

想定外の事でしたが、屋根の隙間からカメムシの大群が入って来て、越冬場所になってしまい、後で、隙間という隙間を塞ぐ羽目になりました。


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10.金具

金具の種類には下の様な物があります。場所によって使い分けます。

図左上から…

L型金具小・中・大(梁・大引き・柱などに使う)
V字金具(柱の上下に使う)、
火打ち取付ボルト・金具(土台・梁の角を固定する)
筋交い固定金具(コースレッドで固定する)と高座羽子板(梁を桁に固定する)
長羽子板(柱と母屋と小梁をまとめて固定する)
座ぐりして羽子板を付ける(出っ張りを無くす為)
ダボで柱を固定する(見栄えを重視する場合)

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