ですから「易経」では、六十四の分類によって「あなたの現在の天の時はこうですよ」と教え、三百八十四の分類によって「したがってこういう方向に進むべきですよ」と示してくれます。かの孔子は、「易経」を愛読してやまず、「易経」を綴じてあった韋と呼ばれる革紐が三度もすり切れるほどに読み返したそうです。そうしたことから今でも、繰り返し繰り返し熟読することを「韋編三絶」(いへんさんぜつ)といいますが、孔子ほどの賢人をこれほどまでに夢中にさせたのですから、「易経」の魅力は推して知るべしといえるでしょう
易の基本的な意味は「変化」、即ち「変わり行く」ということです。
易経のことを英語では「The Book of Changes」といいます。
「冬来たりなば、春遠からじ」という言葉があります。凍てつく冬もやがては去り、暖かな春が訪れては万物は活動を始めます。まぶしい太陽の夏の次には実りの秋が訪れ、そしてまた、万物が活動を止めるつらい冬が巡ってきます。このように季節も、人生も、社会も変化しながら、発展して行くのです。何事も「右肩上がりばかりは続きませんよ」と「易経」は三千五百年の昔から教えているのです。
▼易の効用
「東洋の英知の書」といわれる「易経」を知ることは、人生には六十四の局面があることを体得でき、物の見方、考え方が大きく広がります。そうして「易経」に常日頃なじんでおけば、自分でいろいろなことの決断に際して、より的を得た判断をすることができるようになるでしょう。「易を知る者は占わず」と言う言葉があります。この通りです。「易経」を学んだからといって何も街に出て占うことではないのです。
一方では、易は左か右かの決断に際して大いに本当のことを教えてくれるのです。その時は「易経」をもとに実占(実際に占うこと)して結果を出すことになります。
▼易の賢い勉強法はないか。
私は「易経」を勉強して30年、1986年に教室を開いて15年間、「易経」をどのようにしたら、わかりやすく、効率良く勉強し、教えることができるか腐心してきました。以下は私の見解です。
(1)易経を修得するための書籍
書店で初めて「易経」の本を手にとって、ページを開くや否や、ぶ厚い漢文だらけで何やら漢学者や歴史研究家の本に見えてうんざりされる方もあるでしょう。でも考えて見て下さい。今から3500年前に書かれた内容です。単純にして究極の真理を含み、幾多の時代に添うように創られた短い文で構成されているのです。何ら難しいことは書いてありません。私が実際に軽トラック一杯ぐらいの関連の本を読んで思うことです。次の著書が私の「易経」の世界です。
★易経の本の出版
「易経入門」ー自分で占える易の実践ー(田中
恵祥著/ダイヤモンド社) 2002年4月18日第3版
易の神髄をわかりやすく説いた実占の書。 日本占術協会より優秀図書賞受賞
(2)易経の修得法
易をなさる方は実に多いようです。この中で「易経六十四卦」がすらすら出てくる人は一体何割位の方でしょうか。
長年あれこれ研究の末、「易経」の勉強の秘訣は、先ず、1.乾為天、2.坤為地、3.水雷屯、4.山水蒙と六十四卦を番号共々、暗記して、最初からでも途中からでも、逆に、最後の64.火水未済からでもスラスラと言えて、書けるようになることが、確実に役に立つ易を修得する出発点であり、近道であると考え、考案したのがこの覚え方です。
★「易経」の暗記法の考案・発表
「易経六十四卦暗記法」 日本占術協会会報で考案・発表 1999年11月30日
(3)占い道具のこと
易占いの道具には筮竹・算木、八面賽サイコロなどの道具を使った占い方から銭占いといって硬貨を6枚使う方法まであります。伝統的な筮竹・算木を使う場合一式36,000円、八面賽サイコロ28,000円と書いた広告もあります。道具を使わないで、小鳥の鳴き声の回数等で占う法もあります。
私達は勿論、筮竹・算木、サイコロも使いますが、初心者が最初から道具を求めるのも大変でしょう。初心者が道具を求めたとしても先生から実際に操作の手ほどきを受けないと使えないでしょう。
又、何か占いたい時に、初心者でも、専門家でも易占の道具を持ち合わせていない場合があるかも知れません。又、例えば会議の席などで誰にも気付かれないように占う方法があっても良いのではないか。
易占で正しい答えを得るには高価な道具ほどいい卦が出ることなど決してありません。問題は占う人の易に対する心構えと勉強にあります。
ここでご紹介するのは、三変筮法に則って、どなたでも、いつでも、手近にある本や筆記用具を使って確実にその場で占う方法です。手近にある本1冊と消しゴム1個あれば答えを導くことができます。
★誰でも何処でも占い道具がなくても占える方法の考案・発表
「自分でできるページ占い」 私のホームページ上 2001年 8月27日
易の勉強は楽しく愉快に続けたいものです。「易経」がもっともっと多くの方々の身近かな書になり活用されることを願っております。
「学問は力なり」、「暗記は力なり」、「継続は力なり」。