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今年1月、三愛に恐怖のお客様が出現しました。
黒っぽい服を身に纏った初老の男性は、入り口正面から差す夕日を背に浴びて、顔は逆光で黒く潰れています。店内につかつかと入ると、あちらこちを隈なく観察し始めました。商品には触れずメガネを探している様子でもありません。
この隙のない身ごなしは刑事か?それとも国税局のマルサか?いや、恒星ベガの惑星から来た宇宙かも知れぬ!
これはヤバイと思った瞬間、突然、その男が言葉を発した。 |
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(男)・・・「下さいはやめてください」。(ギョエー!!)
(男)・・・「店の掲示について、一言お願いがあります。ここに貼ってある[ご了承下さい]と、検査室の上に表示してある[検査室にお入り下さい]は正しくありません。[ください]に変えて頂きたいのです」。
この不思議な人は、「下さい」を「ください」に直すよう日夜アドバイスに励んでいるボランティアオジサンなのでした。私は早速、その文字を直しておきました。翌日再び訪れたこのオジサンは「ください」と訂正された文字を確認して、満足そうに微笑み、
(男)・・・「早速直して頂き、どうもありがとうございました」
と、お礼を言ってどこかに消え去りました。
「下さい」と「ください」、あなたはこの言葉を正しく使い分けていますか?「ください」は、相手にある物、物事を請い求めることなど動詞の場合は漢字を用いて「下さい」と書き、補助動詞の場合は、「・・・・て(で)ください」と平仮名で書きます。
- (1)「下さい」
- 「下さい」は、動詞「下さる」の命令形で、本来は、「下さいまし(ませ)」で、その「まし(ませ)」の略された形であるとされています。動詞「下さい」は、相手にある物事を請い求める意味の丁寧な言い方で、次のような用例があります。
- 「お菓子を下さい」「お手紙を下さい」「資料を下さい」
- (2)「ください」
- 補助動詞としての「ください」は、相手にある動作を懇願する意味を表し、公用文に限らず一般分でも平仮名で書くこととされています。このような補助動詞としての使用の形には、次のようなものがあります。
- 「お急ぎください」「ご出席ください」「教えてください」
- 「下さい」は、実質的に物を頂こうとする場合にのみ用いられる語であって、動作を依頼する場合は平仮名を用いて「ください」と表記するのが普通です。補助動詞は、動詞としての本来の意味や用法が薄れ、補助的な役割で使われる動詞であり、公用文に限らず、一般文でも平仮名で書くこととされていますが、余り徹底されているとはいえません。すべて「下さい」を用いることのないよう注意したいものです。[公用文用字用語の要点]より。
- ・・・くださいオジサン、有益なアドバイスありがとうございました。お元気でご活躍ください・・・
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