タイトル:秋のお彼岸
放送:平成16年919日〜
お話:松音寺 住職 蒲池興照

ようこそお電話下さいました。

 今週は「秋のお彼岸」と題してお話しを致します。

色づきだした稲穂の波や、高く澄んだ青空を見ると秋の深まりを感じます。

「春は野から山へ登り、秋は山から野へ降りてくる」と言われるように、テレビなどではすでに秋の紅葉を伝え始めました。実りの秋に包まれる日が近いのでしょう。

 間もなくお彼岸です。今年は9月23日が彼岸の中日に当たりますが、それぞれのお寺様ではお彼岸の法要が勤まります。

 彼岸は「到彼岸」(彼岸に到ると書きます)を略したものです。
文字通り彼岸へ到達するという意味です。彼岸とは悟りの世界を意味しています。迷いや苦悩に満ちたこちら側の岸(此の岸)に対して、あちら側の岸(彼の岸)、つまり極楽浄土のことを指しているのです。

では、どうしたら極楽浄土の岸へ渡れるのでしょうか? 仏教では六波羅蜜(お浄土へ行き届く6つの行い)の教えがあります。

1つ目は[布施]慈悲の心をもって、ひろく他のへ施しをすること
2つ目は[持戒]仏の戒律をしっかり守ること
3つ目は[忍辱]うらみを起こさず耐え忍ぶこと
4つ目は[精進]仏様の道を精進努力すること
5つ目は[禅定]心を一つにとどめ安定させること
そして6つ目は[智慧]真実を見る仏様の智慧を働かせることです。

 こうした行いを毎日怠りなく心がけるべきなのですが、如何でしょうか。

 お浄土に生まれることを願い、日々仏様の示された道、「布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧」の道を怠りなく励むほどに事の難しさが見えてきます。日頃の忙しさに身も心も奪われて、6つの行いのたった1つもまともにできません。まさしく哀れな我が身です。

 哀れな我が身が見えてくるほどに、今度は阿弥陀如来様の「そんな、お前が目当てだよ」とお慈悲の手を差し伸べてくださるお救いがことさらに有り難くなります。

 お彼岸、私に命と仏縁を届けてくださったご先祖様に深くお礼を申し、お寺にお参り致しましょう。お彼岸には、お墓を美しく磨き、家族そろってお寺にお参りすることが大事です。